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その後、真吾やユキ、庵を通じて知り合ったバンド関係のダチに祝ってもらって、 一段落したので、さっき紅丸に貰った封筒を出してくる。 「おや、それさっき二階堂がくれた手紙かい?」 横で皆の飲み物を作ってたキングが、それを見て声を掛ける。 「ああ……ラブレターだったりしてな」 俺がニヤリと笑って言うと、 「あの八神に対抗する度胸があるとはけどね」 ハハハと楽しそうに笑いながら、俺にグラスを出してくれた。 ……今ビール飲んでるんだけど? 「俺にくれんの?」 「ああ、アンタの為に作ってみたのさ」 ![]() 紅い色からオレンジ、そして黄色から透明へのグラデーションが綺麗だ。 「うわぁ……キレー……」 「アンタの焔の色と、アンタのイメージを合わせてみたのさ。 名付けるなら……『innnocent blaze』―「純真な焔」ってところかな」 「純真な焔……」 そんなカッコイイもんじゃないぞ、俺。 「アンタの表面は熱い焔で燃え盛っているけど、内面は太陽のように暖かい。 そして輝きを持っている。 そして底には、何も染まらない強さと、透明な程の純粋さがある。」 『innnocent』には「純真」という意味以外にも「きらめき」という意味もあるんだって。 キングは上から順に色を指差しながら説明してくれる。 何かベタ褒めなんだけど? キングって……表面だけじゃなく、人の本質を見てるんだなぁ…… 「俺ってば、そんなに凄くないよ?」 恥ずかしくなってそう言うと、キングは緩やかに微笑む。 こういう顔すると女っぽいんだよなぁ……元が綺麗なだけにもと照れるっつの 「少なくともここにいる連中はそう思ってるんじゃないかな。だからこうして集まってんのさ」 「そんなもんかねェ……」 誤魔化すように作ってもらったカクテルを含む。 さすがキング、俺があんま酒に強くないってわかってくれてるだけあって、 ジュースを基本に配合してくれてある。 「美味しい…有難な、キング」 「どういたしまして。―あ、中断させて悪かったね」 「ん?」 「手紙、見るんだろ?」 「……そうだった」 カクテルに見蕩れてて忘れてた。 クスクスと笑いながら、気を使って側を離れてくキングを横目に、再び封筒を持ち出す。 封を開ける前に、庵が周囲にいないか確認。 ―もっとも、いるなら隣にいるだろうから見回さなくていいんだけど。 ……よし、いないな。 手紙には、こう書いてあった。 京、誕生日おめでとう。 今この手紙を読んでるのはパーティの最中かな、楽しんでるか? 八神の奴には「黙っておけ」ってしつこく言われてるんだけど… お前に教えたら絶対喜ぶだろうと思って、この手紙を書く事にした。 実はこのパーティ、企画したのは八神の奴なんだぜ。信じられねェだろうけどな。 何でも 『2人で過ごす誕生日もいいが、たまに仲間に囲まれて騒ぐ誕生日があってもいいだろう アイツは俺とこういう関係になってから、気を使って交友を控えているようだからな たまには何も考えずに仲間と飽きるまで騒がせてやりたいんだ。 だから、手伝って欲しい』 だってさ。 ―で、真吾や舞、ユキちゃんに協力してもらって人集めて、 ライブハウスの親父にも頼み込んだら、2つ返事でOKしてくれたよ。 なので親父さんに感謝するように!! ―とまあそれはさておき。そんなワケで一月前から準備しててさ、 八神の奴、最近「ライブ打ち合わせだ」とか言ってよくいなくなってたろ? あれはこれの準備の為に色々やってたんだよ。 これが原因で喧嘩になんねェかヒヤヒヤしてたんだが。 でもまあ無事に今日まで辿り着けて良かったよ。 ここまでしてくれたアイツに感謝しろよ? 愛され過ぎてムカツクくらいだ(笑) これからもお幸せにな、お二人さんv P.S. 八神に誤解されないように、これ読んだらすぐ捨てろよ!! とばっちり食うのは俺なんだからな!! 静かに封筒を仕舞って、キングが神楽と喋ってる内に、 酒を味わうフリして………ちょっとだけ、泣いた。 しばらくすると、会場が暗くなって、代わりにステージが明るくなる。 皆の視線がそこに注目すると、 そこにはアテナ・テリー・舞・紅丸……そして、庵がいた。 「京さん、お誕生日おめでとうございます!! 今回はお祝いとして、1日だけの新生B.O.Fを結成しました!!」 会場がおおーっとどよめく。 B.O.F.……Band of Fightersか…… アテナがボーカル、テリーがドラム、 ナコルル(さすがに時代考証ムチャクチャになるもんな)の代わりにキーボードが舞、 俺の代わりにギターが紅丸、そしてベースが庵ってワケだな。 ……何だよ、いないと思ったら、そういう事だったのかよ。 そう思っていると、庵と目が合う。 俺の表情から思ってる事を察したのか、少し微笑んでくれる。 ヤベ……さっきの手紙の話思い出して顔赤くなっちまうじゃねェか!! ……皆見てないよな…… 「それじゃあ聞いて下さい! [Open Your Eyes] 3.2.1.GO!!」 テリーの軽快なドラムと共に音楽が始まる。 俺の為の、1日だけの新生B.O.F.バースデイライブが、今 始まった。 「片付けとか後は俺達でやっとくから、あとは2人で楽しんでこい」 と紅丸に半ば追い出されるようにして、俺と庵は自宅に戻った。 車の中ででも言いたかったんだけど、何か上手く言葉が出てなくて黙ってたけど、 今日は『素直になる』って決めたもんな。ちゃんと言わなくちゃ。 「あのさ……庵……」 隣で着替えていた庵の顔は見れないけど(だって恥ずかしいじゃんよ!!) 俯きながらも、庵の方向を向く。 「今日…あんな凄い誕生日パーティにしてくれて有難う。 凄い……スゴイ嬉しかった」 「そうか」 「俺さ……庵と一緒に過ごせれば……庵に『おめでとう』って言ってもらえたら それだけでいいって思ってたけど……… 沢山の人に『おめでとう』って言ってもらって……」 言ってる内に何かワケわかんなくなってきた。 「そんなスゲェ事を庵が『やろう』って言ってくれて……俺……俺……」 な、何かまた泣けてくるし!あ〜も〜酒のせいか?涙止まんねェ〜〜 そうしたら庵がギュッて抱き締めてくれた。 そこで胸が熱くなって、頭真っ白になって泣いちまった。 情けねェかな……でも嬉しいからいいよな。 少し落ち着いたところに、庵がアコースティックギターを持って来た。 何だろうと見ていると、口の端を歪める。 「俺が弾くのは見たが…歌うのを見た事がない、と言っていたからな」 そう言うと、弦を爪弾き始めた。 ―あ、これって……俺が好きだって言ってた曲だ。 I do I love you so I'm never ever gonna let you go Just listen to my heartbeat in your arms,I belong I'm never ever gonna let you go Please take me to heaven 'cause everyday I live for you everything I do,I do for you Yes,tonight tonight Tell me that you're mine Take me high above we'll fly away Hold me tight,so tight and love me forever I'll catch the star I'll be your moon I need you in mylife Give you my all Because I love you I do I'm so in love with you 曲を弾き終わった庵が、まだ曲の余韻に浸ってた俺に、そっと囁く。 『Happy Birthday and......』 草薙京くん誕生日祝い小説でした。 …………間に合わなくてごめんなさい(涙) しかし……クサい、クサ過ぎる!!(汗)作り終えて何度「クサい」を連発したか!! そして京の口調で初めて書いてみましたが……いかがでしたでしょうか? 結構難しいものなんだと改めて実感。でも面白かったですvv ついでにKOF2003稼動も祝い、普段出ないキャラも出してみました。 その分庵さんの出番少なくてごめんなさい〜〜〜〜(涙) キングさん……結構好きかもしれない。今回イイ役所になってくれましたvv ちなみにカクテル[innocent blaze]は神原オリジナル画像です。 素材屋から借りたワケではなく、自分で作りました。 シンガポール・スリングの逆版みたいですけどね。 まあこういう似た色のカクテルはよくありますよ。 ちなみに曲はフェイレイの[I do] 009小説と似たような終わり方になっちゃった……(涙) 庵サイドも考えていなくはないですけど……公開は当分先ですかね。 |