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とあるホテルの一室。ベッドに足を投げ出してテリーがくつろいでいると、 不意にドアがノックされる。 「Who are You?」 「俺だ、草薙京。ここ、開けてくんない?」 「開いてるよ、入ればいい」 とりあえず半身を起こしてドアの向こうの京に答えると、ゆっくり扉を開けて京が入って来る 「お邪魔しま〜す」 「珍しいな、キョウが俺の部屋に来るなんて。何かあったか?」 まじまじと物珍しそうに京をみつめるテリーに、 京は彼が座っているベッドと隣合ったベッドに座りながら、照れくさそうに答える 「ん〜……ちょっと相談に乗って欲しくて……いいかな?」 「ああ、構わないよ」 「その…八神の事…なんだけどさ…テリーは、あいつの事、どう思う?」 言いにくそうにモジモジしながら聞いて来る京に、 何かあるなとは思いつつもテリーはその質問に答えてやる 「そうだな…最初は、話し掛けても全く無視決め込むから『何だコイツ!!』って思ってたけど… チームを組んで一緒に戦ってる内に、段々イイ奴って分かってきたし。嫌いではないな、今は」 「ふうん」 京の気のない言葉を聞いて確信を持ったのか、テリーは溜息を一つつくと、京に向き直る 「……なあ、今更そんな事を聞きたいワケじゃないんだろ、ホントは。 ……ヤガミと何かあったのか?」 「いや、そうじゃないんだけどさ…」 少し心配そうな顔で顔をのぞきこまれたので、京はようやくその重い口を開いた 「何か…アイツが考えてる事がわかんなくてさ。 普段は俺に対して『殺す』とか『死ね』とかしか言わないクセに… 人目がなくなった途端に突然………俺を……その……」 真っ赤になってうつむいてゴニョゴニョと言う京。 何を言っているかわからないのでしばらく考えるテリー。 ーと、何を言いたいのかわかってポンと手を叩く 「ああ、セックスしてしまうって事か」 京は更に赤くなって 「ハ…ハッキリ言うなよ!!恥ずかしいなあ…これだからアメリカ人は〜〜」 と抗議の声を上げる。 テリーはスマンスマンと爽やかに微笑んで謝りながら 「ヤガミの考えてる事がわからない、か… でもよ、好きじゃなきゃ男相手にセックスなんて出来ないぜ?」 ーそれに、当人同士では分からないんだろうけど 『あの2人はデキてるな』ってのは丸分かりなんだぜ」 と、京にとっては非常に意外な事実をサラリと言ってのける。 「マ……マジで!?」 京は驚きを隠せず、かなりのオーバーアクションで仰け反る 「ああ。ヤガミが放つ雰囲気が違うっていうか何ていうか……」 表現は難しい、というようにう〜んと腕組みして考え込むようなポーズをするテリー。 京は呆気に取られてしまっている。無理もない話である 「俺達に放つ気と、キョウに放つ気は全然違うもんな。 …まあなんだかんだ言っても、ヤガミはキョウ一筋だよ」 嬉しいはずなのに、そう言われても釈然としない京 「だったらさあ…もう少し優しくしてくれたってバチは当たらねえじゃん……そう思わねえ?」 少しふくれる京に、ガキみたいだと思いながらも、それは口に出さず聞いてみるテリー 「何だ…優しくされたいのか」 笑いだけは押し殺せなかったようで、語尾に笑いが混じる。京は更にふくれながら答える 「そりゃ時々でいいから優しくされてえよ〜、いつもそっけないんじゃ不安にもなるって」 「ふうん…………」 そう言うと、テリーは手に顎を乗せた姿勢のまま京の顔をみつめる。 京はその視線を感じて、何故か赤くなっている 「それなら………俺と付き合ってみるか?」 「……え?」 ゆっくりとテリーが京に近付いてくる。京の両脇に手を付いて、逃げ場を塞ぐ。 京は現状を上手く把握できずに混乱たままだ 「俺の恋人になるか?俺なら、いつでもお前に優しくしてやるぜ……?」 そう言うと、京を押し倒してしまう。 京はそこでようやく事態に気付き慌て出すが、もう身動きが出来ない状態だ。 テリーは更に、京に顔を近付け、耳元で甘く囁く 「してみるか…俺と……ー」 「ちょ……テリー…っ!?」 首筋に軽く歯を立てられ、全身にゾクゾクッと波が立ちはじめる京。 それを確かめてから、テリーが顔を間近まで接近させる。京は思わずギュッと目を閉じた 「ひででででででで……何すんだよっ!?」 思いきりテリーに鼻をつままれ、涙目になる京 「バーカ、ジョークだよジョーク。マジに取るなっての」 楽しそうに笑いながら、京の鼻から手を放し、京の隣に腰を下ろすテリー。 京はう〜とうめきながら鼻を擦っている。少し鼻が赤くなっていた 「でももっと抵抗しろよ、俺がマジになる所だったぜ?」 そう言う顔はあくまでも爽やかで、真意かどうかは定かではない。 京はそれを聞いて照れくさそうに笑う 「いや……テリーならイイかなって………」 テリーはそれを聞いて大笑い 「オイオイ、んな事言ったら俺がヤガミに殺されるぞ!?」 あまりにもツボだったのか、腹を抱えて笑い続けている 京はそれを見てプ〜とふくれてスネている。 テリーはひとしきり笑って気が済んだのか、少し涙目のまま京に言う 「とりあえず、ヤガミとキチンと話をする事だな。 キョウが思っている事をヤガミにちゃんと伝えなきゃ、何も始まらないだろ?」 そこまで言うと、テリーは元の隣のベッドへ移る。京はそれを黙ったまま目で追う 「……それでヤガミがキライになったら…俺の所にでも来ればいい。 ……俺も本気で京が好きだからな、FREEになったら全力で口説かせてもらうから、そのつもりで」 ニッコリと爽やかに告白するところがテリーらしくて、京も思わず微笑みを返した 「サンキュ、テリー。少し気分が楽になったよ」 そう言われて急に照れくさくなったのか、京の首を指差すと 「ーあ、そうそう。さっき思わず首筋に跡付けちまったんだけど。 ……まあヤガミの本音聞き出す道具にでも、脱マンネリにでもなんでも有効に使ってくれ」 いたずらっぽく笑うテリーとは対照的に、一気に真っ青になった京だが、何か策を思い付いたようで 「そうさせてもらうぜ」 と苦笑いを返した 「ほら、用事はもう済んだんなら、さっさと帰って決着つけて来るんだな。 もっとも、本気で俺と恋人になる気だっていうなら、話は別だけど?」 京をムリヤリ立たせてドアへ押しやりながらもジョークを言うテリー 「もうそのテには乗らねえよ」 笑いながらドアまで歩き、ドアを開ける 「−頑張れよ」 そこまでは笑い顔だったテリーが真面目な顔に変わる。京は笑いながらその首に抱きつき 「ありがとな、テリー」 精一杯の気持ちを込めてギュッとテリーを抱き締める、アメリカ式の挨拶をして、その部屋を後にした 「つくづく損な役回りだよな、俺って……」 ●おわり● テリー×京という表記ではありますが、 少し危ない友情、ってカンジの話で肩すかしくらわせちゃってスイマセン(汗) でもテリーと京の関係って、神原の中では「親友」ってカンジなんですよね〜。 ーあ、ちなみに今回は京・庵・テリーというチーム編成でKOFに出場している、という設定の元に書かれております。 そういう事をにおわせる文章もあったので、わかっていただけたかと。 まあ神原がKOFやる上でのチームがこの3人なんですけど。 好きだけど、幸せを願うなら身を引くテリー、「漢」ですねえ(笑) あと、お話は携帯版の[ホントと嘘と、言えない気持ち]に続きます、 京が決着をつけないといけませんから。 |