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「ねえ、明日は31日じゃない?任務もちょうど休みだし、 皆でハロウィンパーティーやりましょうよ」 第7班の本日の任務は今までの経験を生かしての演習。 その休憩を兼ねての昼食の合間に、サクラが楽しそうに 提案を持ちかけて来た。 「はろうぃん…って何だってば?」 耳慣れない言葉に、ナルトが不思議そうに首を傾げる。 「季節の変わり目にやる悪魔払いの行事ってくらいしか 私も詳しくは知らないんだけどね。色々説があるみたいだし。 とにかく、皆でお化けとか色んなカッコに仮装して、 『Trick or Treat!』イタズラかお菓子かーって言いながら 街の中を歩くのよ」 「へ〜」 「私といの、あとヒナタとかキバ・シノ・シカマル・チョウジとか 下忍の仲間も来るから、2人も参加しない?」 「面白そうな事するね、先生も参加してい?」 3人が話している輪に、木陰で本を読んでいたハズのカカシが 挙手しつつ上から覗き込んで来る。 「カカシ先生もお化けのカッコするってば?」 見上げて来るナルトに「ん〜そだね〜」と返しながら 考えるポーズをしつつ。 「忍者とはいえお前達はまだまだ子供なワケだし、保護者ナシでやるのは 心配だからねえ。ま、保護者代表って事で」 「……先生も参加したいだけでしょ。 ―まあいいわ、それで、2人はどうするの?」 呆れた(むしろ冷酷な)眼をカカシにチラリと向け、ガックリと項垂れる姿を横目に、 サクラは2人に(若干サスケに視線を向けつつ)向き直る。 「俺は―――」 「あ、サスケは責任持って俺が連れて行くから大丈夫」 「!?」 「ホント!!嬉しいー!!」 『よっしゃー!!気合い入れるわよー!!っしゃーんなろー!!!』 サスケが何か言おうと口を開いた瞬間に、横から現れたカカシが口を塞ぎ、 無責任に参加を表明する。 サクラが内なる己を全開にさせている横で、何とか腕を振り払ったサスケが睨む。 「何勝手に決めてんだよ!!」 「修行ばっかしてないで、たまには息抜きに皆と騒ぐのも大事だからねえ。 それに、あんな喜んでるのに今更断わるような酷い男なんだサスケくんは……」 「ぐっ………」 言葉でやりこめられ、そこまで言われて断るわけにもいかず。 悔しそうに舌打ちしながらカカシから離れると、 いつになく静まり返っているナルトが目に入る。 俯いている為表情は見えないので、どうしたのかと声を掛けようと手を伸ばすと、 スッと顔が上がる。 「ごめんサクラちゃん、俺ってばその日、エロ選任に呼ばれてて行けねェってばよ〜」 申し訳なさそうに言う口調に変わりはなかったが、 何故だかその雰囲気にはいつになく硬質なものが漂っていて。 常にない違和感にサスケはナルトの顔をじっとみつめる。 「え…ナルト来れないの?夜からなんだけど」 「ホントごめん、どうしても無理なんだってば……」 手を合わせて、心底申し訳なさそうに言うナルトに、サクラも強くは言えず。 「そっか〜……残念だけど仕方ないわね…」 本当に残念そうな声でサクラが諦めるのを見て、 ナルトがホッと緊張を解くのをサスケは見逃さず。 ジッと自分を見ている事に気付いたナルトは、突然手を見るなり、 「うわ、俺ってば手がベトベトだってば。ちょっと川で洗ってくる」 まるでその場から逃げるかのように駆け出して行く。 追いかけようとサスケが腰を上げると、カカシに肩を掴まれ行く手を阻まれる。 何だと言う意味を込めて強く睨むと、カカシはただ無言で首を振る。 「追うな」と言っているのがわかり、不本意ながらもその言葉に従い再び座り直す。 ただ視線だけが後を追うように、ナルトが消えた方向を見続けていた。 |