その後手伝いにやってきた特戦部隊の面々のおかげで、
無事パーティーを開始する事が出来た。
パーティーでは皆美味しそうにマグロ料理を堪能している。
それを満足そうに見ながら、リキッドも料理をほおばる。

「美味しいね〜、リキッド」
「うむ、なかなかの腕だぞ」
「わう〜」
「うん、トシさんが頑張ってくれたからね」
「ありがと〜土方さ〜ん」
「いやいや、俺よりもリキッドが頑張ってくれたからな」

ニコニコと嬉しそうに食べるコタローに言いながら、
皆で横にいたトシゾーに礼を言う。
トシゾーはかなり照れ臭いらしく、おかわりをしに行くと言って
そそくさとその場を離れて行ってしまった。

「俺もレシピ教えてもらったから、今度から和食もレパートリーに入れて行くな」
「うん、あのね!!今度これまた作ってよ」
「任せとけ……それよりおかわりは?」
「取って来て〜」
「ボクもだ」
「わう〜」
「へいへい」

余程気に入ったらしくおかわりを申告するちみっこ達に、
こみあげる笑いを抑えきれずクスクスと笑いながら立ち上がると、
奥の方でロッドとマーカーが何やら深刻そうな顔で何か話し込んでいる。

「どうしたんだ?」
「あ〜……リッちゃん」
「隊長を見なかったか?」
「隊長?パーティー始まる前には見たけど…今は見てないな」
「やっぱり……」
「?」

何やら深いため息をつく2人に、状況がわからずキョトンとするリキッド。

「何かあったのか?」

問うリキッドにどう答えたものかとロッドが悩んで唸っていると、
その横からマーカーが「実は…」と説明を始める。
それに驚いた様子のロッドが何か喋ろうと口を開けるが、
マーカーが掌でそれを制し、ニヤリと口元を歪める。
それだけでロッドは全てを理解したらしく、頷くと口を閉ざした。

「実は……隊長は珍しく二日酔いになられたようでな。
 気分が悪いと言って寝ておられたのだが…やはりまだ起きてこられてないようだ。
 リキッド、もし良かったら隊長に何か食べ物を持って行ってくれないか?
 せっかくのマグロだし、食べないと後がうるさそうなのでな」
「うん……別に構わないけど」

深刻な様子で言うマーカーに気圧されるように了承すると、
そうかとホッとしたような顔で言うので、そんなに症状が悪いのかと不安がよぎる。

「ちみっこ達の世話は俺達がやっとくから、隊長をよろしくな」

にっこりと笑うロッドに見送られ、ハーレムが好みそうな料理をみつくろうと、
リキッドは一路シシマイハウスへと急ぐのだった。






























シシマイハウスに到着すると、ハーレムの部屋からぼんやりと明かりが漏れている。
お邪魔します、と小さく呟いて中に入ると、こちらに背を向けて横たわるハーレムがいた。

「隊長……?」

おそるおそる声を掛けると、ゴロリとこちらに体が転がる。
起きていたのかと喋りかけようと口を開けたが、瞬時にそれは閉じられた。
何故なら、規則正しい呼吸を穏やかに繰り返す、ハーレムの寝顔があったからだ。

特に顔色も悪くない様子で、眉間に皺もないところを見ると、
二日酔いも今は治っているようで、ホッと安堵の息を漏らしつつ、ハーレムの肩を揺する。

「隊長、起きて下さい。パーティもう始まってますよ?」

普段寝汚い人ではあったが、自室である飛行船以外でこんなに深く寝る事はなく、
誰かが近付く気配があれば即座に起きていたなと、昔の記憶を蘇らせる。
長くいるせいで、そういう危機感がなくなったのだろうかと、
この島に安心感を抱いてくれているハーレムに嬉しくなる。

だが相変わらず起きる気配もなく。どうしようかと困った表情を浮かべつつ、
とりあえず起きるのを待つ事にして、料理をテーブルに置きその寝顔を眺める。
強い光をたたえてリキッドを見る瞳は閉じられ、表情が柔らかく見える。
呼吸のため薄く開かれた唇にかかる金の髪が、何ともセクシーで、
思わずリキッドはまじまじと見つめてしまう。

リキッド……

突然、ハーレムの口から自分の名前が呼ばれた。
起きたのかと顔を見るも、未だ目は閉じられたままで、それが寝言だと知れる。
呼ばれた声は優しい響きをもっていて、リキッドの頬に熱が集中していく。

『うわ〜………うわ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ』

恥ずかしさと嬉しさでどうにかなってしまいそうになりながら、
心の中で悲鳴を上げつつ、耳まで赤くした顔を覆う。

喜びにプルプルと震えて感動に浸っているリキッドの横で、
ハーレムが呻き声を上げ、ゆっくりと瞼が開かれる。
ふう、と溜息を吐きながら起き上がると、リキッドと目が合う。

「お……起きました?」

まだ頬に赤みが残る顔で、ひきつりつつもハーレムに声を掛けると、
寝惚けてぼんやりした顔が、ギュッと眉間に皺を寄せる。

「あの…一応料理持ってきましたけど、食べ……ます?」
「…………おう」

素っ気ない返事ではあるものの、とりあえず食べると言うので
料理の置かれたテーブルをこちらに引き摺って寄せて来る。










「………………………………」
「…………………………………………………」



普段なら『美味い』だの何だのと感想を述べてくれるのに、
相変わらず眉間に皺を寄せたまま黙々と食べる様子に、
所在なげに視線を逸らすリキッド。

「あの……美味しいですか?」

おそるおそるといった様子で尋ねると、「おう」とだけ返って来る。
それに安堵するも、重い沈黙は続くようだ。
全てたいらげた後もそれは変わらず、「ごちそうさん」とだけ言うと、ハーレムはまた黙ってしまった。
どうしよう、と困った表情を浮かべて窓を見ると、横で舌打ちと溜息が聞こえる。
驚いてハーレムを見ると、何やら俯いて頭をガリガリと苛立たしそうに掻いている。

「な、何ですか」

表情を堅くしたリキッドがそう言うと、ギロリと睨むようにこちらを見る。

「お前……………ッ……いやいい、何でもねぇ」

言いかけて、途中で何かに気付いたようにハッとしたかと思うと、
再びゴロリと背を向けて寝転んでしまう。

「途中でやめないで下さいよ、気になるじゃないですか」
「だから、何でもねェ」

食い下がるリキッドが肩を揺するも、答える事を頑に拒絶するように
手をヒラヒラさせるだけでこちらを見ようともしない。

「何か言いかけたじゃないですか、何でもなくないでしょ?」
「何でもねェッつったら何でもねェんだよ、忘れろ」
「何ですか、その歯切れの悪さ。隊長らしくないじゃないスか、ハッキリ言って下さいよ」
「うるせェな……」

次第にイライラした口調に変わり、ガバリとハーレムが起き上がる。

「じゃあ言わせてもらうけどな。お前、他のヤツにはニコニコニコニコする癖に、
 俺には嫌そうな顔するばっかで全っ然笑いかけたりしねェよな!!」
「へ……?」

ポカンとするリキッドをよそに、勢いで言ってしまった自分に我に返ると、
クソッと悪態をついて頭を掻きむしる。

「あ〜そうだよ、お前が笑いかける奴ら全部に嫉妬してんだよ俺は!!
 そんでムシャクシャしたままお前に会いたくなくてフテ寝してたんだよ!!!
 ガラでもねェッてのはわかってっけど!!」

笑いたきゃ笑えッ、と言って再び寝転んで背を向けてしまった。
横顔を見ると、余程恥ずかしかったのか耳がほんのりと赤く見える。
それが何ともおかしくて、クスクスと笑い出したリキッドに、ハーレムが振り返る。

「テメッ、ホントに笑う奴があるか!!」
「だって嬉しいんですもん。隊長も俺の事好きなんだな〜ってわかって。
 ………心配しなくても、俺はアンタのものですよ、ハーレム隊長」

そう言って抱きついてきたリキッドの笑顔は、華のようにほころんでいて。
思わずハーレムはその唇に口付けを落とす。

「な……なッ」

フイの攻撃に真っ赤になったリキッドは、口元を押さえながらあわあわと落ち着かない。
それにニッと意地の悪い微笑みを浮かべながら、胸元へ引き寄せギュッと抱き締める。

「ホントは、俺だけに笑いかけて欲しいんだが……ま、それ以外は俺のモンだし。
 こうやってリッちゃんが慰めてくれんなら、大目に見てやらぁ」
「え……ぇ………ちょっ……」

優勢に立ったと思って油断していたリキッドはいきなりの形勢逆転に合い、
ゴロリと身を転がされ、ハーレムに組み敷かれてしまう。







その後、妙にスッキリした表情のハーレムと、どこか恥ずかしそうにしながらも
力なくゲッソリした表情のリキッドがパーティー会場で目撃されたのは、言うまでもない。






おわり。
































































おまけ。

「やっぱさ〜、隊長のご機嫌回復にはリッちゃんだよね〜v」
「あれ程高価が絶大なものはないな……あの時の私の考えは正しかったな」
「ナイス悪巧み、マーカーちゃんv」




























というワケで、ギリギリですが(汗)リキッド誕生日小説でございます。
お誕生日おめでとう、リキッド!!!
これからも隊長とお幸せに〜vv

内容的には『嫉妬するハーレム』ってのが書きたかっただけですv
でもそれがリキッドを幸せにさせるのに繋がってるのかどうかは謎……
むしろ、隊長が幸せになってる気がしなくもないですね(笑)

急いで書いたので支離滅裂でごめんなさい(汗)祝う気持ちはめいっぱいです。




















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